白木屋漆器店

◆所在地/会津若松市大町1丁目2-10
■建築物等の概要
●所有者 高瀬喜左衛門
●建築年 大正3年
●構造 洋風店蔵造(店舗)
土蔵造(展示室)
●階数3 (店舗)、2(展示室)
●設計 山岸清助
●施工 山岸源蔵

■街なみ・建築物等の由来

白木屋漆器店は、慶安年間に創業、享保年間より現在地で営業を続けている。今回調査した建物は、大正3年に竣工したルネッサンス様式を取り入れた会津初の洋風建築である。意匠は洋風であるが、構造は木造であり土蔵造である。いわば洋風店蔵造といったところである。階級は3層、当時は低い街なみのスカイラインを突き破る目立った存在であり、ランドマークとなっていたであろう。2階奥に後年増築された便所がある。これは、皇族が来店することになり、急いで作られたものであったが、一度も使用することなく、現在は従業員の更衣室として使用されている。

■街なみ・建築物の特徴

会津初の洋風建築として、その後に作られた洋風建築にその影響を及ぼしている。洋風の土蔵造として下記のよ
うな工夫がされている。
外壁
・大具を横張りとする
・素焼の敷平(8寸角)を釘付けする
漆喰下塗り
南蛮土を塗る(赤土とセメントを混ぜる)
・モルタルで中塗り
・仕上洗い出し
屋根
・半重ね鉦(荷重を少なくする工夫)
土蔵の防火性を有し、洋風のデザインを表現するため、古くからの手法と新しい材料を組み合わせたものであろう。

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